縁あって移住。東京・渋谷区から
人口400人の町 島根県・大森町へ。
町で唯一のパン・菓子屋さん
世界遺産の石見銀山がある町、島根県大田市大森町。
東京からは飛行機、電車やバスを乗り継いで約3時間。観光地とはいえ、なかなか交通の便が良いとは言えない所にある町です。
大森町に住んでいる町民は、わずか400人。
町民は自分たちの日常の暮らしをとても大切にしており、山々に囲まれた自然豊かな景観と町並みを守りつつ、昔ながらの静かな里山の暮らしを営んでいます。
この町に唯一のパン・菓子屋が「ベッカライコンディトライヒダカ」。
ドイツ語で「パン屋お菓子屋 ヒダカ」と言う意味です。
縁あって移住。東京・渋谷区から
人口400人の町 島根県・大森町へ
世界遺産の石見銀山がある町、島根県大田市大森町。
東京からは飛行機、電車やバスを乗り継いで約3時間。なかなか交通の便が良いとは言えない所にある町です。
大森町に住んでいる町民は、わずか400人。
観光地ではありますが、町民は自分たちの日常の暮らしをとても大切にしており、山々に囲まれた自然豊かな景観と町並みを守りつつ、昔ながらの静かな里山の暮らしを営んでいます。
この町に唯一のパン・菓子屋が「ベッカライコンディトライヒダカ」。
ドイツ語で「パン屋お菓子屋 ヒダカ」と言う意味です。
夫婦揃って、ドイツのマイスター
オーナー夫婦は2人とも、ドイツで働きながら製パンと製菓を学び、国家試験を受け、マイスターの資格を取得して帰国しました。
帰国後しばらくは、広島での数年間を経て、妻の実家のある東京・渋谷区で暮らしていましたが、「製パンマイスター」の夫・日高晃作が、この町に縁あって移住をし、それまでの都会とは全く違う環境で、パン屋を開店したのが2015年。
同じくドイツで修行した「製菓マイスター」のパートナー・日高直子が、製菓とアイス(ジェラート)を担当しています。
夫婦でこの資格を取得している日本人は相当珍しいよう。
本店はドイツパンと、お菓子の店。
この地域ならではの地元食材を使用した
商品も人気
パンの一番人気は「ブレッツェル」。
カリカリな部分とふっくらした部分が一緒に楽しめる、ドイツ南部の
名物パン。「ここのブレッツェルが一番美味しい」と、ドイツ人の方から
お取り寄せされるくらいの人気です。
お菓子の一番人気は「ドイツバウムクーヘン」。
本場ドイツの製法にこだわり、ドイツ製のバウムクーヘンオーブンを使い、地元島根の厳選した素材で焼き上げています。
ですが、ヒダカで販売しているのは、本場ドイツで学んだドイツパンやドイツ菓子だけではありません。
(6月に採れる、ジューンベリー)
(温泉津町の名産、アムスメロン)
地元で採れる、柚子や夏みかん、ベリー類や果物。この地域ならではの素材を使った商品も人気で、ここにしか無いオリジナルなパンやお菓子を販売しています。
町にゆっくりくつろげる場所を。
地元素材を豊富に活用した
ジェラート&カフェ店を
本店隣にオープン
2021年には、パン屋の隣にカフェ&ジェラート店「Eis&Café Bäckerei Konditorei Hidaka
アイス&カフェ ベッカライコンディトライ
ヒダカ」をオープン。
EIS(アイス)とは、聞き慣れない言葉ですがドイツ語でイタリアンジェラートの事です。
ドイツの街には沢山のアイス&カフェの店があります。どんな小さな町にも必ずカフェがあり、人々は集い、夏場には大切な人々の憩いの場となっています。
大森町は小さな町ですが、ドイツのアイスカフェの様に、気軽に立ち寄ってもらい、話をし、ゆっくりくつろいで頂けるような場所が作れたら、という夫婦の想いがありました。
6年間のドイツでの製菓修業で、
師から学ばせてもらった
オリジナルな菓子作り。
目指すのはここでしか食べられないアイス
ジェラートを作る製菓担当、日高直子は東京生まれ。
大学で農学部を卒業後、食品メーカーで惣菜やスイーツの商品開発を担当。
その後、もっと本格的に菓子を作りたくて会社を辞め、日本でフランス・イタリア菓子店で修業したのち、素朴なドイツ菓子を学びたくて渡独。ドイツの菓子屋でアツビ(ドイツの見習い職人)として働きながら製菓やジェラートの作り方を学び、ゲゼレ(ドイツの製菓職人)になりました。
その後職人として働いたのが、テレビ番組でお菓子の番組を持つなど、当時幅広く活躍していた人気パティシエ、ゲオルク・マウスハーゲン氏のお店。
マウスハーゲン氏の店の特徴は、季節によって様変わりするケーキの種類の豊富さ。いつ訪れても新しいケーキとの出会いが待っている、そんなお店で、伝統的なドイツ菓子だけでなく、色んな国の菓子の良い所を混ぜ合わせて、オリジナルな菓子を作るスタイルを学びました。
そんなお店でしばらく職人として働いていましたが、マウスハーゲン氏の勧めもあって、菓子店を自分で営みたいなら必ず必要になってくる、マイスターの資格を取ることを決意。学校に通い、製菓マイスターの資格を取得し、そのままドイツで暮らしていくつもりでしたが、2011年、日本で起きた東日本大震災をきっかけに、帰国への想いが強くなり、渡独から6年後に帰国しました。
その後、同じくドイツで製パンを学び、先にマイスターの資格を取得して帰国していた夫が、石見銀山の地元企業にスカウトされ、Iターンでパン屋を開く事に。その機会に、東京から島根県に移住しました。
移住当初、近くの雲南市にある木次乳業の牛乳がとても美味しい事。
また、近隣エリアでカボチャなどの野菜や、果物も柑橘、キウイ、メロン、果ては日本ではまだ見た事の無かった、ルバーブ(甘酸っぱい
ジャムなどに加工される、ヨーロッパではメジャーなタデ科の植物)やブラッドオレンジまで栽培されている事に、夫婦ともどもびっくり。
この豊富な素材との出会いから、地元にある様々な美味しい食材を活用したパンやお菓子、アイスを作り始めました。特にアイスは、素材の味を素直に活かせるので、作っていて楽しいそう。
パン・お菓子・ジェラート。
地域の食材を活かした商品を通して
全国にこの里山の魅力を
発信していきたい
「この町に暮らすようになって早いものでもう6年。
夏みかん・ゆず・八朔など、町内には沢山の柑橘の木があり、実がたわわになるのに、収穫されずそのまま朽ちていく事がよくあります。
それらの柑橘類の皮を加工して、パンに焼き込んだり、果汁はアイスになります。
また、すぐ近くにある山には、お茶の材料にもなるクロモジが自生していて、葉を焼き込んで香りの良いパウンドケーキにしたり。
そんな地元ではあまり注目されなかったり、見過ごされてきた食材も、工夫を重ねて加工し、パンやお菓子やアイスに取り入れるのが、自然とヒダカの店のスタイルとなりました。
この里山での暮らしを楽しみながら、季節ごとに変わっていく、豊富な農産物・食材を活かしたいという想いを持って、ここ島根県の豊かな自然の中でこそ生まれる、オリジナルなアイス作りを目指しています。
機会があったら、
ぜひ大森町に遊びに来て下さいね。
ご来店をお待ちしています。」
ベッカライコンディトライヒダカ
アイス&カフェヒダカ
日高晃作・日高直子